2008-04-07

神奈川工科大学 KAIT工房


石上純也さんの設計による神奈川工科大学KAIT工房を訪れました。天気がよくて桜が奇麗。予想より少しでかい。
石上さんは最近だと東京都現代美術館で展示した四角い風船を作った人です。以前はSANAAにいて金沢21世紀美術館とかを担当してたって言ったら間違いなく誰もが納得。



305本のとても華奢な柱が規則性なく林立していて、それ以外の構造は何もないという革新的な建築。柱によって断面のプロポーションも様々で、薄いものは触ると揺れる。繊細すぎる。柱の立ってる密度が場所ごとに違っていて、それによって緩やかに空間を定義する。極端に要素が少なくて、建物というより場を作ったという感じでおもしろい。
こんなこと他の人でも思い付くのかもしれないけど、ここまでの完成度で実現させちゃうところがやっぱり違う。



薄い板みたいな柱がいろんな角度で立っていて、見る方向によって柱の密度が違って見える。柱には鉛直荷重を受けるものと水平荷重を受けるものの2種類あって、普通にやると別のディティールが出てきてしまうが、2種類とも同じように足下の立ち上がりは究極にすっきりしている。ディティールというものがない(というか見えない)。これを実現するために水平荷重を受ける柱は上から吊って引っ張っていることで座屈を防ぐらしい。この説明じゃ意味不明でしょうけどな。


内部で曖昧な空間を作ったのはいいんだけど、外部とはガラスで完全に切り離されたのが良かったのか疑問。外周は全部ガラスで、出入り口以外は開かないのだけれど、個人的にはもっと外に開いたらよかったのにと思いました。こんなに気候のいい時は半屋外の柱の林の中で作業した方が気持ち良さそうに思える。実際4月の時点でちょっと熱かったし、空気がこもりやすいのは工房としてどうなのか。ほかにもいろいろ明らかに工房の機能としては問題がありそうでした。
完成するずっと前からメディアで注目されてるプロジェクトだったし、できたものも実際すごく斬新で美しいんだけど、明らかに工房としての最適解を求めた結果ではなさそうなので、これからずっと使い続ける人がいることを考えると、誰のための建築なのかと思います。建築家が作るものは多かれ少なかれメディアのためでもあるだろうけど、この建築はそれが顕著な感じがしました。完全に建築表現のための建築という感じです。こうゆうものが作られることで建築は進化していくのでまあいいんですけど。とか言って部分的に批判はするけど、石上さんの考えることは毎回おもしろいし尊敬してますよ。いや本当にすごい。


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