2009-04-12

The Garden



映画監督のデレク・ジャーマンの庭に行ってきました。
この庭は彼が1986年から94年にエイズで亡くなるまで暮らした場所にあって、彼の代表作"The Garden"の舞台でもあります。この映画はもうだいぶ前に見たきりなのでおぼろげにしか覚えてないけど、この場所が強烈に美しかったことだけは印象に残っています。
この庭の写真集もあって、それもすごくよいです。
彼が亡くなった後も彼の彼氏(ゲイゆえ)および友人たちによって庭が手入れされて残っているということを知って、前からすごく行きたかったのです。
行ってみると、さすがに写真集の写真に比べたら多少荒れてはいた、、、けど博物館的なものでもないのにこうして残っているだけでもすごい。荒野との境目はないから自由に入れるだけでいちおう人の家の庭みたいなもの。

場所はDungenessという、ドーバー海峡に面した海辺にある、とんでもなく寂れた村。ロンドンから電車やバスや冗談みたいに小さい汽車(実際に半分冗談に違いない!)に乗って、約2時間半。全く観光地ではないし、夏なら海水浴もできるんだろうけど、まだそんな季節でもないので人もまばらで寂しい。周囲には砂利と苔類と低木の荒野がどこまでも広がり、その先にある巨大な原子力発電所から騒音がかすかに聞こえてくる。海辺には見捨てられた漁船や倉庫があって、絵に描いたような荒廃した風景。ワイエスの絵みたい。

こんな辺鄙な場所を彼は終の住処にして自分の楽園を築きました。植物のほかに、海辺で拾ってきた細長い石や穴の空いた石、流木、金属片などで作った彫刻みたいなものもある。それらは穴と棒という組み合わせで一貫してて、明らかに性的なイメージ。ここに移り住み、庭を作り始めたのは自分がHIV陽性だと知った時期と重なっているし、生と死について深い悟りみたいなものが庭に表れてます。そうじゃなきゃ絶対到達できない何かがある。

僕も終の住処を手に入れたら、彼の真似ごとでいいからこんな庭を作るのもいいなあ。でもこんなド田舎に住むのはまず耐えられそうもないわ。。。(歳取ったら変わるのかしらね。)
早速、真似ごとの手始めとして、小一時間ほど海辺をさまよって穴の空いた石を拾い集めてみた。意外とすぐ見つかる。しかしなんで自然に穴が空くのか不思議だわ。